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壱岐ひとり旅 [旅]

5月下旬、壱岐を一泊二日で一人旅してきたときの記録。

博多港からフェリーで2時間20分、料金わずか2,090円(片道)。
ジェットフォイルなら所要時間は半分で、料金はおよそ2倍。
どちらを選ぶからは好みの問題だが、私はデッキで海風に当たったり、船内でゴロ寝ができる低料金のフェリーを無条件に選ぶ。

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10時に出港。フェリーでは、Google mapを見ながら玄界灘の島を確認したり、トビウオが水面をすーっと滑空していくのを関心して眺めたり、本を読んでうとうとしているうちに郷ノ浦港に到着。

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最初は路線バスで島内を巡ろうかと思ったものの、便数が少なくてあまり効率的にはいかないようで、着いた日は壱岐交通の観光バスに乗ることにした。船の到着と接続していて、港でそのまま乗り込める。

平日でもあり、乗客5名のマイクロバスで出発。ガイドさんは島出身の若くて元気な女性。
まずは岳の辻展望台に登る。壱岐で一番の高台で、四方が一望できる。あいにく霞がひどくて視界はいまひとつだったが、壱岐の全体的な地理がよくわかって勉強になる。

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次に訪れたのは、猿岩。

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見事にお猿(ゴリラ?)に見える。横に回って正面から見るとただの岩ではあるのだけど。

それから、湯ノ本温泉を通って、鬼の岩窟と呼ばれる古墳を訪問。

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こんな大きな岩を使うのは鬼の仕業に違いないということで命名されたのだとか。

ところで乗客のうち一人がドイツ人の女性だった。自分の語彙力のなさに打ちひしがれつつもコミュニケーションする。なんでもご主人と日本を旅行中らしいのだが、ご主人はこの日福岡でお仕事とかで、一人壱岐に遊びに来たのだとか。・・・かつて同じような状況で、韓国の観光バスに乗った自分の姿と重なって親近感。

そしてバスは一支国博物館へ。小規模ながら新しい設備のモダンな博物館で、古代壱岐の歴史を紹介する映像や展示があり、展望室からは原の辻遺跡が一望できる。

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バスで見て回っても、かつて訪れた対馬の険しさとは違い、壱岐は本当に穏やかで豊かな(作物が穫れる)島だなと実感する。食料は島内で自給自足ができるレベルとガイドさんが話していた。そしてこの原の辻では、冬の農閑期に発掘調査をやっているという話がまた印象的だった。

最後はお土産屋さんに寄って、郷ノ浦港で解散。
ドイツ人女性は、帰路はジェットフォイルを予約していたが、フェリーのことを話したらそっちに乗りたいとのことで、変更手続きを手伝ってからお別れした。折しも曇り空からお天気が回復していたので、フェリーからきれいな夕日が眺められたのではなかろうか。

私の方は、芦辺港近くの宿を予約していた。当初はバスで行くつもりだったが、たまたま郷ノ浦から他のお客さんの送迎があるとのことで、便乗させてもらえた。

郷ノ浦から20分ほどで、かねや別館に到着。
年季の入った旅館ながら、お掃除は行き届いており、何よりリーズナブルなのが一人旅にうれしい。さらに長崎県の離島で使えるプレミアム商品券「しまとく通貨」を利用したのでさらにリーズナブル。

宿の近所にはほとんど何もないが、小さなスーパーが一軒あり、水を買うついでに、めずらしい壱岐の「がぜみそ(ウニ味噌)」と「ゆべし(柚子味噌)」をゲット。

そしてお風呂に入って一息ついての夕食。部屋食ではないものの、個室での食事で、一人でも気兼ねが要らなかくてよかった。

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壱岐の新鮮な魚貝類がほとんどで、お酒がすすんで困った。
特に感激したのは、海女さんが穫ってきたばかりという新鮮な生ウニ。
一口食べて、遠い昔の記憶が蘇った。子どもの頃の潮干狩りで、親がたまたまそこに居たウニの殻を割って食べさせてくれた、まさにあの味だった。
壱岐に来てよかったな〜としみじみ酔った夜であった。

・・・・・・・・・・

翌日。

宿をチャックアウトして、芦辺港まで送ってもらい、港の観光案内所で、電動アシストつき自転車「壱岐ちゃり」をレンタルする。半日(4時間)で1000円、延長1時間につき300円。

フェリーにマイ自転車を乗せてこようかと考えたこともあったが、壱岐はそこまで平坦な島ではなく、普通の自転車で走るのは厳しいらしい。そこでレンタルした電動アシスト自転車だったが、これがびっくりするほどパワフル。ぜったい普通の自転車では登れない坂もらくらく、すいすい、快適!

ただ気をつけないといけないのは、かなり重量があるので、普通の自転車の感覚で動かそうとすると失敗する。私は凸凹道でこの自転車を引いていている時に、よろけた自転車を支えようとしてバランスを崩し、自転車ごとひっくり返って見事な青あざを作ってしまった・・・。

しかし小回りがきく自転車は島の観光にはもってこい。お天気もよく、景色を眺めつつ、マイペースでのサイクリングは気分爽快。グーグルマップがあれば道に迷うこともない。レンタルして大正解だった。

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月読神社。

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國片主神社。

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顎かけ岩。

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双六古墳。

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笹塚古墳。

これらの古墳はひっそりと奥まったところにある。特に笹塚古墳は木漏れ日のふりそそぐ林の中で、ウグイスやホトトギスの声がごく間近に聞こえ、それだけで厳かな気分になる。石室の中にはコウモリがいることもあるそうで、入ってみたい気持ちは山々だったが、辺りに人っ子一人いないのでさすがに怖い気がして諦めた。
他にも近くに古墳郡があるようだったが、道案内がやや不十分で、迷いそうだったので諦めた。

そしてもと来た道を戻り、この度の一番のお目当てのスポットを目指した。
干潮の時だけ参道が現れるという小島神社。しっかり干潮表で調べてから行った。

すごい!

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潮だまりに残る生き物など眺めつつ、参道を渡る。
島の裏側に階段があり、登ると祠があった。

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その名のまんま、小島の神社。
海の恵みの恩恵を受けて、あるいは海の猛威に晒されながら、日々の暮らしの安泰を慎ましやかに祈願してきた島のひとたちの思いが伝わってくるようだ。

岸辺の防波堤にもミニ祠が設けてあった。

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すっかり心が洗われたところでお腹が空いてきた。
次に目指すは八幡半島のうにめし屋さん。

途中、道を間違えて橋を渡った先は、青島という島だった。
ここにも神社がある。ほんとに壱岐には神社が多い。

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青島神社。

八幡半島で有名なのは、港の海の中に祀られた、はらほげ地蔵。

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しかしお地蔵さんの乗っている台が不釣り合いに現代風で、ちょっと情緒に欠ける?
こっちは満潮の時の方がいいかもしれない。

そばでは海女さんたち(たぶん)が数人集まって、おしゃべりしながらウニを捌いていた。
そして、このすぐ近くのうにめし屋さん「はらほげ」に入る。

お昼のかき入れ時は過ぎたかのようで、観光客らしきおじさん一人と、グループ一組がいるだけだった。みなさん、生ウニが豪勢にたっぷり丼に載った、生ウニぶっかけ丼を食べておられる。昨夜の生ウニの美味しさを思い出し、私も激しく心が動く。
しかし、出張先で(たぶん)汗を流して働いている連れ合いのこと思うと、一人でそんなに贅沢してはいかん!と思い直し、よりリーズナブルな、生ウニの載らないうにめし定食を注文。

これが正解だった。画像はないが、見た目シンプルなウニの混ぜごはんと、アオサのお吸い物と、小鉢。ウニごはんが絶妙な味付けで大変に美味。サイクリングで汗をかいた身体にアオサ汁が染み渡る。掻き込むように食べてしまった。思うに生ウニはお酒と一緒にちびちび食べる方がよい。ほんとにお腹の空いているときにはうにめしの方が吉。(負け惜しみではない)

満足してまた一走り。八幡半島の突端、左京鼻へ。

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道すがらに見た、壱岐牛。

左京鼻には草原が広がって、日焼けを気にしなければゴロ寝して気持ちよさそうだった。
岬の突端は、けっこうな断崖だが柵もほとんどなかったりする。

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そしてここにも鳥居が。

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左京鼻を後にして、芦辺港にもどる道すがら、碧い海と漁船。

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芦辺港でレンタルサイクルを返却し、そばのダイエーで買い物をする。
産直野菜の直売所や魚屋さんが入っていて、とても好都合であった。
壱岐の固い豆腐やら、地物の魚のお刺身や、生ウニやら買い込んで大満足。

夕方のフェリーからは夕日が拝めた。

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そして夕食は壱岐の魚づくし+生ウニ+日本酒で、さらに旅の余韻に浸ったことはいうまでもない。
壱岐は史跡も自然もたっぷりで、想像したよりずっと楽しい島だった。博多からはほんとに気軽に行ける。夏休みはフェリーも超満員だそうだが、ちょっとシーズンをはずせば島にも人が少なくてのんびりできる。温泉もあるし、また機会あるごとに訪ねたいと思う。



フェリーの中で、あるいは旅の予習・復習におすすめの本。


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コメント 2

gulapa

壱岐島は行ったことないですが、いい場所ですね。海綺麗だし、面白い見どころもあるし、食も心ひかれます。
あのゴリラ岩は最近テレビで見て、よくできているって思ってました(^o^)
by gulapa (2015-08-19 21:18) 

ぱたこ

gulapaさん
ゴリラ岩、草(毛?)の生え具合も絶妙なんですよね。誰かがトリミングしてるとか?
壱岐に限らないかもしれませんが、島ってやっぱりいいですね。海の近くで育ったせいが、海を見ると癒されます。特に温暖な島は最高です。gulapaさんも機会があればぜひいらっしゃいませ。
by ぱたこ (2015-08-19 23:07) 

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