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あちらの交通事情 [旅]

たまに外国に行くと、その土地のいいところばっかり目について、日本もこうだったらいいのにーと羨ましく思うことが多い。(長くいると違ってくるのかもしれないが。)

そのひとつとして、今回久しぶりにドイツを旅して、公共交通機関の使いやすさに感心した。
日本でも人口数十万以上の大都市なら別だが、ドイツだともう少し小さな、例えば山口市クラスの小都市であっても、路面電車やバスといった交通機関が充実していて、市街地の移動にはほとんど困らなかった。タクシーを使うことは一度もなかった。

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人口12万、山口市並み?のハイルブロン市にも路面電車が元気に走っていた。羨ま〜。

通常運賃は日本と大差ない感じがしたが、滞在したどこの都市にも地下鉄や市電やバスに共通で使える一日乗車券というのがあった。これが1人用でも割安だが、2〜5人のグループ用というのがあって、これが信じられないくらいお得。

たとえばミュンヘンだったら、1人用が5.6ユーロ、グループ用が10.2ユーロ。もし5人で使えば1人あたり200円あまりで、市街地の公共交通全部乗り放題なのである。さらに広範囲で使えるタイプもあって、とにかくお得チケットの種類が多い。

またドイツ国鉄DBには州範囲で使える一日乗車券があって、これまたお得。例えば今回使ったバーデン・ヴュルテンベルグ・チケットは、2人用がわずか25ユーロ、2600円くらいで、ICEやICなどの高速列車には乗れないものの、州内と一部州外の都市へも乗り入れられるし、DB以外の地元交通の市電やバスにまで乗り放題。これも同行人数が増えればもっとお得になる。

それに、DBでは早割切符が安い。早割といっても3日前までに購入すればよくて、便によって料金が違うが、通常の半値とかで買える。ネットで簡単に買えるので、予め日本で買って自分で切符をプリントアウトして持っていった。とにかく安くて便利だった。

日本にもこんなお得な乗車券がいろいろあれば、気軽に旅行に行ったり、ふらりと街歩きができるのにな〜。

公共交通機関が整備されているせいだと思うが、どこに行っても交通渋滞は少ないように思われた。日本だったら渋滞緩和のために新しい道路を作ったり、拡幅工事をしたりするが、それをしないかわりに公共交通を充実させてきた結果かと思う。同じように自動車産業の盛んなお国ではあるのだが、この違いは何だろうなぁ。もちろんアウトバーンではばんばん車が走っている。長持ちする、丈夫なドイツ車が・・・。

そして行くたびに羨ましく思うのは、自転車乗りに優しいということ。列車にも自転車が積み込めるし、自転車レーンも整備されている。お隣のデンマークでも同じで、とくにコペンハーゲンなどは昔より自転車の数が格段に増えてて驚いた。コペンの知り合いは、毎日片道8キロの道のりを自転車で通勤しているという。それが特に珍しいことでもなさそうなのである。こういうのを見ると、日本の自転車は歩道でも車道でもどっちつかずの邪魔者扱いで、きちんとした交通手段という位置づけにないように思える。

これからの日本、少なくとも原発依存は減っていくと信じたいけれど、原発を減らせば必然的に化石燃料の使用が増えて、放っておけばまた大変なことになる。それをとりあえず減らす対策として、まず自家用車の使用を控えることがあると思うのだけど、実際問題、その代わりになる公共交通は大都市以外ではどんどん衰退していて、私の住む山口でも車なしの生活はなかなか難しかったりする。でもだからといって開き直って車にばっかり乗ってるとますますバスや電車の便は減ってしまうという悪循環。

なにより車に乗らなければそれだけ交通事故の確率も減って、より安全に暮らせるというもの。その利便性ゆえに車のリスクは軽んじられている気もするが、いつ何時自分が加害者にならないとも限らない凶器に乗っているようなものかもしれない。政府や自治体はいまからでも新しい道路を作るのはやめにして、その分公共交通を復活させることに力を注いでもらいたいものだ。そのためにはまずは自分が地元の電車やバスにもっと乗らなきゃなと思うのであった。不便、不便と愚痴りながらも・・・。
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よしこん

確かに、日本の道路はヨーロッパと比べると情けないというか、とても残念な感じですよね。日本でもあちこちで自転車レーンが整えばいいのになぁ。歩道すら整っていないところが多いですけど。
我が家は最近一家で自転車を乗り始めたのですが、自転車レーンが整っていないので子ども達と一緒に出かけるときはものすごく気を遣います。とにかく道路が危なくてハラハラするので爽快感が味わえない・・・。子ども達は楽しいようですけど。
by よしこん (2012-12-07 21:00) 

gulapa

日本は狭いですよね~、北欧などは特に土地に余裕あるので自転車道もゆったりしていて走るのが気持ちいいぐらいです。車密度も少なく空気もきれいなので特にそう感じるのかもしれないです。日本の道は狭くて走りづらいし車が怖い、排気ガスで苦しいです。自転車乗る気がうせちゃうのです。一度スウェーデン暮らしして日本に戻ってより実感しました。ああゆう風にするにはかなり時間かかりそうですね。
そうそう、日本の大きな問題は、人が右、自転車が左ってことだと思います。同じ歩道上で両方向に発生するので4者が入り乱れてて正面衝突しやすいです。欧州の人も自転車も車も右なのがシンプルでした。

交通機関ですが、家族(ペア)割りなど割引が多いですよね。得したいなら自分であれこれ調べることが重要ですね。ばたこさんはマメですね~日本でもそういうのあれば家族で乗ること増えそうなんですけどね。
by gulapa (2012-12-09 10:35) 

ぱたこ

>よしこんさん
山口の田舎にいるとそうでもないのですが、福岡だったら私も子供がいても自転車には乗せられないなぁと思ってしまいます。歩道すらない狭い道路に、車と自転車と歩行者がごちゃごちゃ通ってますからね〜。狭い道路では思い切って一方通行規制かけてもいいのになと思うのですが、どうもそういう例は少ないみたいですね。つくづく車優先なんだなぁと思います。

>gulapaさん
そうか、あちらはみんな右側通行なのですね。どうりでみんなスムーズに走っているわけです。昔ドイツで自転車レーンを歩いていて怒鳴られたことがあります。歩行者が車道を歩いているようなものだったんですね。日本では仮に自転車レーンがあっても守られていなかったり、残念なことが多いです。もちょっときちっと制度化して変わって行けたらいいんですけど。

公共交通のお得チケット、最近はネットで何でも調べられるので、どの方法が一番お得かな〜と考えるだけでも準備が楽しかったです。一番割高だなぁと思ったのは、マルメールンド間の電車運賃(正規)でした。マルメーカルトラップも高かったなぁ。
by ぱたこ (2012-12-11 12:24) 

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