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夏みかんピール [甘いもの]

萩でとある会に参加した際、地元の方からお土産にいただいた手作りの夏みかんのピールが、絶妙なほろ苦さと甘さでとても美味しかった。

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萩といえば夏みかんの発祥地。明治維新で失業したお侍さんたちが生活のために栽培を始めたことで特産品になった。いまでも武家屋敷の塀の向こうには黄色い実をつけた夏みかんの木が植わっていて、萩の風景のひとつになっている。

冬に成った実を、春までそのまま樹上に置いておくとほどよく酸が抜けて美味しくなるらしい。5月の開花時は収穫時でもあり、香りのいい花と美味しい実が同時に楽しめる夏みかんシーズンで、萩ではこの時期にイベントなどもやっているようだ。

ただ夏みかんとはいっても、本来の本当に酸っぱい夏みかん(ナツダイダイ)が出回っていたのは昔の話で、いまの夏みかんはまず100%甘夏なんだそうである。甘夏は夏みかんの変異種だそうで、正式名はカワノナツダイダイというらしい。
でも春から出回る萩の甘夏は、気候のせいか、2、3月に出回る九州や四国の甘夏より酸味が強く、より夏みかんっぽい感じがする。本来の夏みかんの味をよく知らない私などは、これが昔ながらの夏みかんなのかと思ったりした。

夏みかんより甘い甘夏でも、やはり酸味が敬遠されて消費は年々衰えているらしい。果物も野菜も甘いのばかりがもてはやされる昨今、逆にパンチのきいたこの酸味は希少価値があると思うんだけどな。

そのままでもいいけれど、わが家ではヨーグルトをかけて食べることが多い。
今回はちょいとゴージャスに庭で色づきだしたラズベリーなども入れて・・・。さわやか〜な初夏の味。

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ところで、甘夏の薄皮はどうやって剥くのが一般的なのだろうか。
私は長い間、歯で引きちぎって剥いたりしていたが、これは自分や家族が食べるにはいいけれど、お客様やお菓子に使うときには使えない。いちいち包丁使うのもめんどくさい。
最近になって小さなデザートフォークを使う方法を思いついた。

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画像のように房の真ん中にフォークの一番外側の歯を突き刺して、フォークを持ち上げるようにして皮を裂く。そして同じところにまた歯を入れて反対側にも裂く。これで真ん中がきれいに切れて楽に剥けるのだった。
皮むき専用のムッキーちゃんも便利そうだけど、家にあるものでも何とかなるのです。


いただいたピールは後を引く美味しさで、すぐなくなってしまいそうなので、自分でも作っておくことにした。
通常は主に製菓用に使うこともあって、表皮もそのままで煮るところだが、今回は薄く皮をそぐように剥いてから煮てみた。手間だけど、こうすることで食感がソフトになり上品な味わいになる。

そぎ取った皮はもったいないのでアルコール(スピリタス+米焼酎)に漬けてみることにした。甘夏エッセンスとして、次にピールやジャムを作るときに有効に使える・・・ことを期待。

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(左の瓶はレモンの皮。)

茹でこぼしは2回やった。皮が柔らかくなったところで、あとは水と果汁を少々、様子を見ながらグラニュー糖を入れて煮詰める。ここで「様子を見ながら」ではなくきちんと皮の何パーセントとか決めておけば効率がいいだろうなといつも思う。次回はちゃんと測ってみよう。

網などに載せてしばらく乾かしたあと、グラニュー糖をまぶす。
お手本よりちょっと柔らかめの出来上がりだが、お味は上々であった。

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テンパリングしたチョコレートの余りがあったので、チョコがけにすることにした。
この時期にチョコがけしたことはなかったが、テンパリングの温度を保てるのは都合がいいものの、コーティングしたチョコがなかなか固まりにくい。材料を予め冷やしてけばいいかもしれない。
冷蔵庫に入れたりしてどうにか形になったが、やっぱりブルームが出てたりしていまいち。(いつものことだけど・・・)

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こちらは先日作ったマーマレード。いつもは果汁や果肉も少し入れるのだが、うっかり食べつくしてしまったので、皮だけで作った。酸味が足りないのでレモン汁を少し入れた。

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うーん、わが家にも夏みかんの木が1本ほしいなぁ。植えるところさえあれば・・・。
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コメント 4

sakko

夏みかんのピール美味しいですね。
市販のピールは甘すぎますが
家で作ると甘さと苦味がなんともいえませんね。
sakkoの果樹園では、甘夏と橙を植えています。
この橙はスダイダイと書いてありました。
マーマレード作りなどにとも。
実は酸っぱすぎて種が多くてほとんど食べられないのですが
皮に厚みがあり、甘夏より味も濃厚で皮も厚いので
此方をピール用に
甘夏は生食とマーマレードのしています。
patakoさんは暫く乾かしてからグラニュー糖をまぶされるのですね。
私は鍋で充分に水気を飛ばし熱いところにグラニュー糖をまぶします。
私のは硬めです。
マーマレードもいい色に沢山出来ましたね。

ケーキ作りのお上手なpatakoさん
これもその材料になりますね。
ピールのチョコかけ・・・・・美味しいですね~。


by sakko (2009-06-05 00:24) 

ぱたこ

>sakkoさん
sakkoさんの橙ピール美味しそうですもんね〜。
上のいただきもののピールも、その方の庭の夏みかんで作られたそうです。純粋な自家製は、やっぱり何か違いますね。鮮度もいいし、何より愛情がたっぷり。
私のは煮詰めた時点では水分が多いみたいで、グラニュー糖をまぶしても溶けてくるのです。お砂糖の量も少ないのかも。甘夏の皮、あと2個分あるのでsakkoさんのブログで少し勉強してもう一度作ってみますね!
実は冬に作った甘夏ピールもあるのです。こっちはしっかり干して固めなのでもっぱら焼き菓子用です。外の皮を削ぐのと削がないのとでは、食感も、出来上がりの色も違いますね。
by ぱたこ (2009-06-05 10:20) 

ばぶを

んもぉ~~~!!!

今すぐpatakoさんちに「突撃patakoさんちのスウィーツたち!!」という取材をしたいです。あっ、取材だけじゃなく、味見も♪


by ばぶを (2009-06-05 13:23) 

ぱたこ

>ばぶをさん
チョコがけピールと甘夏ジャムくらいでよろしかったら、いつでも取材にいらしてください。ばぶおさんの作り置きおかず持参でお願いしますね♪
by ぱたこ (2009-06-06 10:41) 

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